カンゲキ記

夢のひとときに感謝

映画『太陽からプランチャ』

バルト9へ「太陽からプランチャ」という映画を観に行ってきました。
夢を封じ現実に生きる若手カメラマンと、今まさに夢を追う女子プロレスラー(研修生)を
主軸とする青春グラフィティ・・・かな?

・・・こういう作品を観に行くのは珍しいのですが。

完成披露試写会へ行った友人から話を聞いて気になっていたのです。
たまたま木曜日に別件でバルト9のサイトを見ていたら、上映案内が目にとまり。
6/28から公開だけど、連日ミッドナイト1回のみの上映(^^;
6/27に前夜祭と銘打って21時からの回があったので、これも何かのご縁かしら・・・と。
早速、チケットを購入しました。

最近、プロレスの事をちょこちょこと耳にする機会があったので、女子プロレスの現状が
垣間見られる今作は大変興味深かったです。
女子プロレスを題材とした作品といえば、今井美樹さん主演のドラマ『輝きたいの』が
浮かびますが(といっても、幼少の頃なのでドラマの内容はあまり記憶にありません・汗)
あの作品は、女子プロレスも華やかなりし時代。斜陽気味となってしまった現在とは
選手が置かれている立場も、お客さんの数も全く異なると思います。
劇中に「男なら強いヒーローに憧れるのはわかるけど、なぜ女の子が・・・」というような
台詞がでてきます。そう、そのとおりですよ。絶対イタイですよ、あれ。イタイなんて
もんじゃないですよ・・・私、中学時代剣道やってて、あんなに完全防備なのに、
痛くて痛くてイヤでしたよ(^^;肉体的にも精神的にも他のスポーツ以上に求められる
ものが多い世界じゃないかと思います。エンタメ性も必要だし。

じゃぁ、なぜ、彼女たちはリングを目指すのか・・・、プロレスなるものに挑むのか・・・

そこを深く追求する作品ではありませんでしたが、リングに上がることを目標に直向きに
頑張る研修生がむず痒くもまばゆい。そして、そんな新人を温かく包みこみながら、
自分たちの置かれた現状と必死に戦う選手たちの姿が大変頼もしい。いや、それ以上に、
あんなに激しいことをしていながらも、レスラーたちは誰よりもたおやかで女性らしいなぁ
と感じられました。

そして、彼女たちの姿に感銘を受け、無くしていた何かを必死に取り戻すように
シャッターを切る主人公。自分に重なる部分があって、胸がキューキューしてしまいました。
私は、大きな夢を抱いていた記憶も、そこに向かって努力をした記憶もさほどない
ダメ人間ですが(^^;少なくとも、もう少し若いころは自分の人生をもっと大きなビジョンで
描いていた気がします。それが「日常に追われている」という言葉を免罪符にして、
段々段々小さく、狭く、手軽に・・・もうやり直しはできないというか、このままなんとなーく
日々を過ごすのだろうと決めつけて。
若い頃抱いていた夢や希望は、それらが勝手に自分の元を離れていったワケではなく、
自分で見ないように、捨てたフリをしているだけなんでしょうね。

大仰なストーリーではありません。
画質・音質を考えても、大きなスクリーンでの上映を前提としていない作品かなと思います。
でも、彼女たちの夢、彼らの再起を描き出すのに、大きなスクリーンは大変お似合いでした。

「ドラマを作るのは自分自身だ」

この映画にも、この言葉がよくあてはまる。

私も捨てたフリをしている何かを探しに行ってみようかな。