カンゲキ記

夢のひとときに感謝

映画『エスケイプ・フロム・トゥモロー』

フロリダのWDWでゲリラ的に撮影した映像で制作されたというアレです。

無許可だとかゲリラだとかの真意はさておき、あの夢の国でそしらぬ顔をして
撮影されたものと考えると、その背徳感に何ともゾワゾワします(笑)

私も舞浜のは好きでイベント毎にお邪魔しますが、若干カルト的な(特に日本のは)
あの統制のとれた雰囲気、めくるめくファンタジーの押し売り!(爆)
色々惑わされて気がつくと財布の中身はスッカラカン
それでも何度でも行きたくなる中毒性といい、表向きの華やかで朗らかな様相とは異なり、
裏では恐ろしい何かが蠢いているんではないか・・・と、妄想してしまい、
何か薄ら寒い物を感じたことがある人も少なくないのではと思います。
故に、<都市伝説>といわれる噂の流布も多い場所なのかなと。
(あぁ、こんな事書いたらネズミのポリスがお迎えにきちゃうかな、
でも大好きなんですよディズニーランド・笑)

予告で流れる、白黒映像の中で不気味に微笑む(ように見える)キャラクターの姿に、
入場客の心理とパークの内情(実は、地下ではアトラクションを駆動する為に、
何万人もの奴隷が自転車漕ぎながら自家発電してるとか・爆)
を風刺する作品なのかなぁ〜なんて思っていたのですが、
そういう部分も織り交ぜつつ、なんというか大人の辛さというか
「夢よ覚めないでいて」なのか「この現実がすべて夢であってほしい」なのか・・・
窮屈な毎日から、いつまでも明かりの見えぬ明日から現実逃避したい心情を
映し出しているように思えます。

衝撃的な映像の続くラストの展開。
どんな事件が起ころうと、誰にも知られず何事もなかったかのように
規則的な笑顔のパークは、毎日淡々と続いていくということを皮肉ってる雰囲気が
ディズニー大好きだけど、どこかで冷めた目をしている自分としてはグッとくる部分でした。
でもその完璧さを求めて私はあの場所へ行ってしまうのです。

主人公ジムの息子・エリオットは、悲劇的状況の中、最後の最後に
一番の望みを叶え、満面の笑みを浮かべます。

そう、何が起きてもそこは夢の叶う場所。

ジムが恐れ絶望した明日が来なかったのも、彼の夢が叶った故なのかもしれません。