カンゲキ記

夢のひとときに感謝

舞台『戦国無双〜四国遠征の章〜』

戦国無双、ここで説明するまでもなくあまりにも有名なゲームタイトル。
その世界観を、生身の人間が演じる舞台作品。
舞台としての上演は、昨年に引き続き2回目。

初演のDVD、そして今回のストーリーとなる部分ではないけど、
3DSのクロニクルでその世界観を少しお勉強して観劇に臨みました。


初見は「こんなにナレーション使うんだ」とか、物語の流れとか、
もっちー(元親・笑)のソロ演奏に気を取られすぎた(笑)とか、
音響バランスが・・・とか、色々混乱してしまったのですが、
見終わった後に、じわじわじわ〜っと来るというか。
すぐにでもまた見たい。また彼らに会いたい!と次の観劇が待ち遠しくて
仕方ない感覚に襲われました。

三成、高虎、吉継を主役に据えているという触れ込みだったものの、傍観者的
役割に落ち着いていたのは、3人(3キャラ)のファンからすれば少し物足りない
部分だったのではなかろうか・・・とも思います。舞台にはクローズアップ機能が
ないからね、どうしても感情の発露の大きい人物のほうが印象に残ってしまいます。
ただ、DVDにて拝見した去年の舞台よりも、3人の心情描写が格段に上手くなっていると
思います。そういう姿が見られるのは嬉しいことですよね。

とにかく、アンサンブルも含めたキャストの躍動感がすごくって、みんなキラッキラ
してて、お芝居に関しては荒削りな部分も多いんだけど、それすら魅力に感じてしまう。
こういう若い俳優さんばかりの舞台ってあまり見る機会がないので、眩しくってクラク
してしまいました。若いってすばらしいです。ホントに。

・・・合田さん、お衣装似合うだろうなぁと思っていましたが、案の定。シルエットが
とても綺麗で、グラフィックのそれってカンジ。
「バサっ」っていうのに弱い私は、袖をバサって振ってハケたり、
立ち回りやダンスの時の裾バサッバサッ
あの姿でラスボスでもなく、狂言回しでもなく、登場人物の中でも
ちょうど真ん中あたりの年齢の役ですから(無双キャラの実年齢を真面目に
考えると頭が混乱しますが・汗)
ご自身の存在感と役の立ち位置のバランスの難しさがあったと思いますが、
秀吉様を支える軍師殿同様、情熱迸る若者の演技を
冷静にしっかりと支える存在でいらっしゃっいました。

その風貌の不気味さとは裏腹に、軍師らしい知性と気品。そして
合田さん最大の持ち味であるチャーミングさ。それら全てのイコールが美しさに変わる。

レボリューションっっ!(笑)



歌舞伎を意識したような演出も多く、そういう部分を見つけるのも楽しかった。

アンサンブルの黒衣的な働き。
客席から波のように舞台上に寄せていく水色の紗幕。
それを吊り上げ(大楽は上手くいきませんでしたね・汗 ナマのご愛敬です)
幕の内側でのスローな立ち回りは「だんまり」のようにも見えました。
エンディングのダンスで、首を回すような振りがありましたが、
あれはおそらく、歌舞伎の見得を表しているのではないかと・・・


本能寺の変から秀吉の四国討伐、シビアなストーリーが軸にありますが、
チャリ場もキチンと用意されておりました。
秀吉様と官兵衛殿、正則・清正の掛け合い、左近コーナーも毎回ネタが変わって、
演者のみなさんは、気力、体力、知力、お笑い力(笑)全てを試される
鬼のようなでも遣り甲斐のある舞台だったのではないかと推察されます。
噂に名高い(笑)清正サンの卑弥呼・・・スベリ芸大好き人間としては見たかった・・・
(その責は、発端の官兵衛殿に全てあると思うけど!だって、卑弥呼って
真似のしようがないでしょう・汗)

老若男女、国籍問わず誰が見ても「面白い、すごい、綺麗」と感じる要素が
たくさん。ゲームと同じく、3作目、4作目と息の長い作品として確立される舞台だと
確信しております。