カンゲキ記

夢のひとときに感謝

劇団<ま>『ボクはヒロイン』

池田政之先生が主宰されている劇団<ま>の『ボクはヒロイン』を観劇してきました。
今回のお話の元となる『シャルルとアンヌと社長の死体』は残念ながら観ていないのですが、
池田先生が書き下されたブールヴァールコメディとのことですので、面白くないワケが
ないだろうと!

物語の舞台はパリのビクトル座。
今まさに初日の幕が開こうとするその時、突然行方を晦ませた支配人の娘で主演女優のシャルロット。
この舞台が成功しないと、ビクトル座の明日はないという危機的状況の中での一大事。
彼女は<舞台の初日>を人質に、恋人ジャンとの結婚を認めてくれるよう、父との交渉に
乗り出します。
刻一刻と上演時間が迫る中、ヒロイン不在の劇場は大わらわ。
劇場の存続をかけ、演出家が閃いたとんでもないアイディアは、脚本家のシャルル(男子)を
ヒロインに仕立て上げるというものでした!無理やりヒロインにされたシャルルでしたが、
その愛らしさに拍手喝采、初日は大成功。
しかも、その姿がビクトル座のスポンサー・モーリスさんの初恋の相手にソックリだった
ことから話は更にややこしいことに・・・モーリスさんの息子の嫁になってほしいとシャルルは
求婚されるのでありました。
最愛の恋人との結婚を懸けるシャルロットと、無理難題な結婚を強いられるシャルル。
果たして、二人の運命やいかに!?

・・・と、そんな感じのお話しなのですが。
いやぁ〜、面白かった。外の暑さも忘れて大爆笑させていただきました。
お芝居のテンポといい、個性豊かな登場人物といい、心地よくってたまらないです。
楽しい台詞の波にすっかり身を委ねて、プカプカ海水浴の気分です。
気持ちよくって笑いが止まらないです。あ〜、幸せ。
口を閉じるヒマがないくらいずっと笑ってしまって、未だに顎の付け根が痛いくらいです(爆)

ヒロインのシャルロットを演じるのは、遠藤久美子さん。
私なんかは未だに<元気印のエンクミちゃん>のイメージだったのですが、
その実、ほんのりとした色気を纏っていらっしゃってとっても素敵。
劇場から逃亡する役なので、中盤はずっと声だけ(電話での交渉劇)の出演なのですが、
またこのお声が艶っぽくてよかったです。恋人ジャンとの甘い場面も、ジャンとの結婚を
反対する父に毅然と立ち向かう姿も、どれも美しくってうっとりしてしまいました。

NLTの加納さんは相変わらずの、偉そうにしてるけどダメダメ父さん(^^;
踏ん反り返って生きてきた中年男の顔色が段々青くなって、アワアワしてパニックになる姿が
なんともいえません。私、加納さんのパニクる姿で一日中でも笑っていられる自信があります(笑)

それから、オクタビアンという謎の交渉人が登場するのですが・・・ナンナンダ!?
怪しすぎるんです。その怪しさっていうのが、Mr.ビーン的な怪しさなのです。
お顔もビーンそっくり、こちらもNLTの飛田康介さん。いや、私が高校生の頃に欲しかった
チャーリー人形にもそっくり!なんとも言えない飄々とした佇まいに、独特の台詞回し。
ちょっと一人だけ異次元なカンジが不思議でジワジワきてやみつきになりそう。
飛田さんのお芝居は絶対にまた見たいです!いや、観に行きます。

そしてそして、この物語のもうひとりのヒロイン(!?)シャルル役は、多井一晃さん。
太秦ライムライトで、時代劇俳優になることを目標に精進している仕出し俳優、
時に福本清三さん演じる香美山に楯突くあの野々村クンを演じている、多井さんです。
そんな凛々しい姿とは打って変わっての可憐さでした(笑)
シャルロットの代わりに舞台に立つことになった彼は、まるでフランス人形のような衣装に
身を包みます。
赤いフリフリのワンピースに、大きなシャボとレースのついたパゴダ袖のブラウス。
頭には、ワンピとおそろいのヘッドドレスに、足元はニーソックスと赤いストラップシューズ。
そう、所謂甘ロリってやつですね。ちょっと昔のBABY系の。いやー、これがとぉ〜っても
似合っていましたよ!原宿やらマルイワンやらを歩いてる女の子たちにも引けを取らない程に。
20代のころ、それ系の服を企画してお給料もらってた私が言うんだから間違いないよ!(笑)
男性諸君の瞳がハートになってしまうのも納得の可愛さでした。

公演期間中、数回のアフタートークが行われていたのですが、なんと、
千秋楽のトークゲストが合田雅吏さん♪
7月の20日頃だったでしょうか、そろそろ観劇日を決めねばなぁ〜とチケットの状況を
調べていたところ、楽日のゲストが合田さんというお知らせが目に入り・・・
やー、そりゃぁもう、絶対その日にしますよね(爆)楽日ということもあり、残席が10席を
切っていたのですが、なんとか滑り込みセーフ。
おかげで観劇の楽しみが2倍に膨らみました♪
(すみません、ここからはミーハー全開でいかせていただきます)

アフタートークには、出演者の中から、NLTの加納健次さん、平松慎吾さん、杉山美穂子さん、
根本拓人さん、それから、村上幸平さん、多井一晃さんが参加されました。

村上さん・・・どこかで拝見したイケメンさんだなぁ〜と思ったら、555で草加雅人を
演ってらっしゃった方ですね!戦隊派なのでライダーには疎くて(笑)
その上、役柄がフランス系ブラックということで、顔がラッツ&スター状態で
全然わかりませんでした(^^;

池田先生を司会に、まずは、上記のみなさんのご挨拶。
役衣装のままでのトークでしたので、もちろん、黒塗りの村上さんとロリロリな多井さんに
沸きます。なんと、村上さんは黒塗りのまま劇場近くのコンビニまで買い物に行ったとか(笑)
店員さんが目を合わせてくれなかったと仰ってましたが、そうでしょうとも(^^;

そして、いよいよ合田さんの登場。アフタートーク参加のみなさんは、下手袖の扉から
舞台に登場されたので、もちろん合田さんもその予定だったようなのですが、
舞台上手奥に作られた非常階段の扉(シャルロットが逃げ出した場所)から息急き切っての
ご登場(笑)・・・ねぇ、何に追われていたの?ねぇ?

細かいギンガムチェック(ドットだったかも?)のシャツに、夏らしいくるぶし丈の黒パンツという出で立ち。
足が長いから、くるぶし丈もカッコよく着こなしていらっしゃって!

今回の舞台で演じるならどの役がよい?という質問に、「一番派手なところで・・・」と
多井さんを指さす合田さん。でも、池田先生的には意外な答えだったようで
「えぇ?やりたいの?」と。「できるんならやりたいです」とキッパリ。
私も見てみたいです!(キッパリ)
そこから話は、合田さんと多井さんが共演している『太秦ライムライト』に及び・・・

池「二人は映画で共演しているんだよね?」
合・多「はい」
池「恋人役で?」
合「はい」
池「え?(多井さんを指さし)鳥追い女かなんか?」(鳥追い女ってお娟さんじゃ・・・笑)
合「男同士の恋人役です」
池「え?」
合「・・・もうこれ以上はやめときます(ニヤリ)」

ナンナンダー!

いたずらっ子めー!客席ザワついちゃったじゃないか!

同じくシャルルを演じたいとおっしゃる平松さん(御歳80歳)に
「ちょうど銀髪ですしね!」とか(シャルルは女装時に金髪のヅラをかぶる)
またしても冗談めいた口調でニヤリ。

ナンナンダー!

黒塗りの村上さん、ロリロリの多井さん、池田先生が浴衣姿と、バラエティに富んだ
衣装だったせいか「僕、白塗りに着物姿で来ればよかったですかね?」と(^^;
「なんで白塗りにせなアカンねん」と池田先生からツッコまれる一幕も。

もう、終始いたずらっぽい瞳で楽しそうにお話しされて・・・
私の心はザワザワしっぱなしだ。

池田先生が脚本演出をされる9月新歌舞伎座の話もチラリと・・・
加納さんと合田さんは親子役で、加納さんが大悪だとか?
合田さんは立ち回りもあるそうで「印籠出さなきゃですか?」と池田先生に聞くと
「印籠は出さないけど<控えおろ〜>は言います」って、それ助さんの台詞じゃん!と
心の中でツッコんでしまいました(^^;

和気藹々としたトーク
こんなに冗談めいた雰囲気の合田さんは初めてだったかも。

それにしても、間近で拝見したエンクミさんは透き通るような肌で天使のようじゃったー!
そして、イイ匂いがしたぞ。