カンゲキ記

夢のひとときに感謝

新歌舞伎座『天童よしみ公演』

新歌舞伎座で行われた天童よしみさんの座長公演(2016.9.17〜26)を観劇して参りました。

よしみちゃんの座長公演を拝見するのも早いもので今年で3年目。

今回は一部のお芝居が『ガード下の靴みがき
(もちろん、今年も合田さんご出演。)
戦後復興を遂げつつ、高度経済成長期にさし掛かった時代のお話し。
天童さん演じる貧しくとも心豊かな少女ひな(17歳・笑)を中心に、
戦争に翻弄された人の悲しみや、直向きに生きていく人々の姿を
温かな目線で描いた作品でした。恐らく、観劇されていたよしみちゃんファンの多くが
自らの人生に重ねる部分のあるお話だったのではないかなぁと思います。
周囲ですすり泣く声もチラホラ。当時を知らない私でも、心の奥がじんわりと
切なくもあったかくなる感触を得ました。
立派な社長さんが主人公のお父さん。戦争の混乱で愛する人と娘を置き去りに
せざるを得なかったという設定は、ひばりさんの映画「東京キッド」を想起させるものでした。
お芝居のタイトルは宮城まり子さんの名曲「ガード下の靴みがき」と同名ですが、
作品全体に漂う雰囲気は、ひばりさんの世界っぽいかなぁ?靴みがきという生業の
悲哀よりも、一人の少女を取り巻く人間関係の悲喜交々。
劇中歌として、「ガード下の靴みがき」も「東京キッド」も披露されました。
近くに座っていたおっちゃんが東京キッドを聞いて「ひばりや〜そっくりや〜」と
唸っておられましたよ(笑)

合田さんのお役は、主人公ひなの幼なじみ芳雄。
工員の青年ということで終始作業着姿。そのビジュアルと、愛嬌があって優しい雰囲気が
『りんご』の昭ちゃんと重なる部分があり、少し懐かしい気分にもさせられました。
昭ちゃんは津軽弁の青年でしたが、芳雄はなんと大阪弁
関西圏外の私の耳には全く違和感のない台詞回しに聞こえましたが、
キャストの多くが関西出身、そして大阪での公演ということで大変なプレッシャーが
おありだったかと思います。しかし、演じる苦労を感じさせず、懸命にひなに寄り添う
真摯な姿が素敵でした。ときめいたー(笑)昭和の王道少女漫画の世界だった〜。
そうなのよ〜、ホントの王子様は、いつだってすぐそばにいるんだから〜〜〜。
楽日のラストは、ひなと芳雄のアツい抱擁(というか、羽交い締め?・爆)も見せつけていただき、

「もう今日は考えさせてと言われへん」

と、素で照れているよしみちゃんも可愛かったデス(笑)

ごちそーさまでした!

仲本工事さん演じる優しい社長さん。
最近CSでドリフの再放送を見ているのですが、オープニングとエンディングの
仲本さんの微笑みにキュンとさせられていたので(爆)素敵な紳士姿が拝見できて
ますますキュンとしました。(余談ですが、ドリフのOP&ED、カトちゃんの無表情と
ヤル気のなさは一体何なのか?笑)
もみたんの金持ち娘は、いけずな京都弁で雰囲気たっぷり。
登場すると流れるBGMがなぜかサスペンスフルでよかった(笑)
室くんはアイドル味溢れる王子様で客席を沸かせていました。
(でもごめんね、私には汚れた作業着姿でも合田さんのほうが王子様に見えるの・爆)

2サスへのご出演を毎回楽しみにしている山口竜央さんを初めてナマで拝見できたのも、
『僕はヒロイン』ぶりに多井一晃さんのお芝居を楽しめたのも嬉しかった。
可愛らしい子役くんも頑張っていました。

芳雄の赤いタオルに猪木ポーズ、ちょこちょこ気になる小ネタも満載で
(いや、その時代は猪木じゃなくて力道山だろうと・爆)
多彩な出演陣によって、老若男女どんな人の心にも響くハートフルコメディに
仕上がっていたと思います。

ところで、ひなが17歳ということは、その他の人物は一体何歳の設定なのだ・・・
そのことばかりが気になって気になって(笑)
芳雄はひなより少し年上であることが台詞からわかるので20歳すぎくらい?
金持ち娘は、お嫁に行く年頃で18くらい?
奥村先生(王子様)は、お医者様でモチロン大学も出ていらっしゃるので、20代半ば〜後半?
えっ、えっ、室くんが一番年上の設定なのか?(笑)

いやぁ、色んな事を超越している素晴らしい座組でございましたよ、オホホ(^^;


二部のよしみギグも、今年は大人の色気たっぷりのしっとり、それでいて熱いステージ。
力強い天童節をガッシリ聞かせていただけるセットリストで、
お芝居とはまた違った胸の熱さや高鳴りを感じました。

「人生一路」紅白でも拝見しましたが、やはりライヴが最高ですね。
晴れやかに抜ける声に力を貰えます。
そして、先月ピューロランドで聞いた「珍島物語」と「女のあかり」
演歌はピューロより新歌舞伎座のほうが似合います(笑)
特に、まだ耳に新しい「女のあかり」は、今回改めて聴いてシックリというかズシッときました。
何と言っても生バンドの迫力には敵いません。
そうるさんのドラムを拝聴するのもすっかり毎年の楽しみです(実は意外とドラム好き)

残念ながら、渡鬼のテーマをナマで聞くことは叶いませんでしたが(まだ言う・・・^^;)
目に耳に心にとっても幸せな時間でした。