カンゲキ記

夢のひとときに感謝

新橋演舞場 初春花形歌舞伎

今年の歌舞伎初めは、新橋演舞場

成田屋さんの当たり役、石川五右衛門サンでございます。
釜ゆでで有名な人です。絶景かな絶景かな。

海老蔵さんのゴエモンを拝見するのは二度目、いや三度目かしらん?
前作にあたる6年前の演舞場ももちろん拝見しておりますが
もうすっかり記憶が薄れてしまっているので(^^;新鮮な気持ちです。

幕開き無言のゴエモンさん・・・笠をかぶってお顔は見えませんが、
私はガン見してしまいます。おそらく吹替されているのは・・・
あのすっと綺麗な動きはそうだと思います。

ゴエモンとお茶々の出会いはさながら桜姫。
秀吉の宝を盗みにやってきたゴエモンさんは、そこに居合わせた
お茶々の美しさに一目ぼれ。お茶々もゴエモンさんの男っぷりに
胸キュンしてワンナイト・ラブ(笑)してしまいます。
お茶々さん人妻なのに〜

いやぁ、こういう場面でえびぞーサンの色気や美しさは
やっぱり凄いなと思います。
踊りや調子などあまり好みでない部分もあるのですが(^^;
一枚の絵として切り取られる時の表情・佇まいは絶品です。
私が浮世絵師なら彼の姿を山ほど描いたことでせう。

お茶々が五右衛門の子を宿したことを悟りつつも、
努めて平静を装い彼女を慈しみ、五右衛門が自分の落し胤(笑)と
知った時に見せた篤い情など、秀吉@右近さんの
懐の深いお芝居もよかった〜。お茶目さもありつつ、しっかり重厚で。
最近の右近さんのお芝居、強さの中に、柔らかさや包容力が
増して益々好きになっています。

そしてそして、ワンハン(遙々海の向こうからお茶々を
攫った殊勝なお方。大悪人)配下の女武将・櫻嵐女!
男顔負けの残虐非道さに華麗な剣捌き。笑三郎さん、めちゃくちゃ
カッコ良いです。鶴松殺害の場面で、女の情を少しは見せるのかと
思っていましたが、その冷たい表情をピクリともさせず・・・怖い!!
そんな鉄の女・櫻嵐女にも、ワンハン様のご寵愛を受けたいという
乙女心(?)はあるようでして、その一心での悪事(^^;
いじらしいというか何というか・・・しかし、ヌルハチ暗殺の
しくじり(でもなかったんだけど・・・)がワンハン様の逆鱗に触れ、
敢え無く打ち捨てられてしまいます・・・哀れ。。
絶命の際も美しかったです、笑三郎さん。

それから、ヌルハチを演じられた九團次さん、すごく素敵でした!
義に熱く、心穏やかな若き長を、とても爽やかに演じていらっしゃいました。

で、何でこの芝居にヌルハチが出てくるかって、ゴエモンさんと
ヌルハっつぁんは海を越えての異父兄弟って寸法です(爆)

いくらなんでも荒唐無稽すぎるぜぃ。。

ヌルハチのお付きを演じていらっしゃったのは喜之助さん。
ご主人様同様、人懐っこく素朴な人柄が滲み出るキャラクターで
釣りの場面ではほんわかさせられました。
今回はお声もたくさん聞けて大満足です♪その後の立ち回りも言わずもがな。
今年もまた裏に表に大忙しの一年でしょうが、お体に気を付けて頑張ってくださーい。

日本と中国を股にかけたストーリーのせいか、ところどころ
ブツ切れ感も否めませんでしたが、その大らかさと派手な設えが
お正月らしい演目で、華やかな気分に心躍るひとときでした♪