朗読劇『ラウ゛レターズ』
パルコ劇場恒例の朗読劇「ラヴレターズ」を観劇してきました。
日本での初演から20年も続いているんですって。
これまでにもさまざまなジャンルで活躍する男女が様々なラブレターを綴ってきました。
・・・といっても、物語は全て同じ。
とある男女が少年期〜壮年期まで、長きに渡って続けた往復書簡。
幼く淡い恋の言葉から始まりますが、その想いは年齢と共に変化し、
追いつ追われつの繰り返し。心にもない台詞を無遠慮に書き付け、
相手を傷つけ、そして自分も傷つき・・・やがてすれ違いは顕著になり、
互いの想いに気付いた時、もう時間は2人を待ってはくれなくて。。
いや、なんでもっと早くから観劇しておかなかったのかと後悔。
これまでも何度か行きたいと思ったことはあったのですよ。
段治郎さんとか、愛之助さんとか・・・でも、都合がつかなかったり、
小さな小屋で1回限りの公演ですからチケット入手が困難だったり、
やっぱり歌舞伎を優先したり(^^:
そんなことで諦めていた自分を責めます。
男性:アンディをEXILEのMAKIDAIさん
女性:メリッサを小西真奈美さん
今回はこのカップルのラブレターを。
朗読劇ですから、椅子に座り、本を読む。
子供時代から50歳くらいまでを演じますが、概ね声だけの演技です。
音の強弱、速さ、間合い・・・そういうもので全てを表現しなければ
なりません。
ただ、コニタンのふとした表情・仕草がその時々のメリッサそのもの。
無邪気さだったり、寂しさだったり、刹那だったり。
それは椅子に腰掛けた彼女の足の動きひとつだけでも感じることが
できました。
あぁ、これが「朗読劇」なんだと。
朗読でもなく、演劇でもなく、朗読劇。
なんだか改めて感心させられました。
ちょっとボーっとしたアンディと、幼い頃から大人びて傲慢なメリッサ。
きっと、読み手が違えばこの印象もガラッと変わってくるのでしょう。
今回はメリッサ優勢。メリッサの世界に翻弄され、引っ掻き回されるアンディと
いった感が大きかったですが、それは演技にも影響が。
コニタンのペースに巻き込まれ、最初は一辺倒だったMAKIDAIさんの
間合いや強弱に、徐々に彩りがそえられていきます。
特にラストシーンにそれは最大限生きたように感じられます。
良い意味で、MAKIDAIさんの巻き込まれっぷりは楽しかった。
そして、コニタンの女優としてのリード、素敵でした。
ただ、小西メリッサと互角の戦いを繰り広げられるアンディというのも観てみたいです。
MAKIDAIさんはとっても優しいアンディでしたが、もっとイヤミで野心家な
面を持ったアンディというのも面白そう。小西メリッサのプライドとの丁々発止・・・
ゾクゾクします♪
他愛のないストーリー、決して派手さのない舞台。
それなのに、なぜ20年もの長きに渡って支持されているのか。
一組のパフォーマンスを見れば、他の演者がどのようにこの手紙の
やり取りを繰り広げるのかとても興味がわきます。
演者の想像と観客の想像が交差する瞬間。
きっと新たな2人に出会えた時の驚きや喜びはやみつきになることでしょう。
次はどんなアンディとメリッサに出会えるのでしょうか・・・
楽しみでなりません。